暗号のまま

Nov 01, 24 江間あやせ

この先は区も苦も違う標識を見上げたままの二時の街路樹

鏡にも街の香りは映されずシンメトリーの暗号のまま

息を吐くガラスの城の主を手折る手動開閉式エレベーター

牛たちは飼う人もなくタクシーを待つ右の手を構いもせずに

神様のアイスを食べる 噴水は反射を拒む水夫の悪夢


暗号のまま この先は区も苦も違う標識を見上げたままの二時の街路樹
鏡にも街の香りは映されずシンメトリーの暗号のまま
息を吐くガラスの城の主を手折る手動開閉式エレベーター
牛たちは飼う人もなくタクシーを待つ右の手を構いもせずに
神様のアイスを食べる 噴水は反射を拒む水夫の悪夢

江間あやせ